うけゆり物語

作者・春香・真人・和隆・琢也・茜
絵・琢也・和隆・真人・春香・茜


 ぼくたち、わたしたちは、総合的な学習「きゅら浜タイム」で、「請島」という島(地域)の昔話を調べました。学校の百周年記念の昔話、「うけゆり物語」という昔話にしました。島口は、地域の方の穂積さんに教えてもらい、こうしてできあがったものをホームページにのせます。

島口

共通語

ウケユリンハナシ
ムカシムカシ、ウクィチュンシマナンジッキュラサンカナシャンミチャッリャ、ウナグヌキョウデガオリャタン。ミチャッリャトシトッタンオッカトジュクナカイッチャシ、クラシテイタ。

うけゆり物語

むかし,むかし,請島という島に,とても美しくてやさしい三人の姉妹がおりました。三人は,年をとったお母さんと,とても仲よく,幸せにくらしていました。

アルヒ、オッカガ、ネツイジャチ、ウナウノクワンキャヤミチャッリャハナシオウテ、オッカガドクサァナリュンガヌシ。マーサンムンティトゥティミショラスオモティハクサイ・ニンジン・デークニ・・・ニャーティドゥダイジナムンガタラッカウッリャシイノミドゥアリョウタンミチャッリャ、ウーヤマヤ、シイノミトゥルガ、イュンクトゥニシャオタン。

ある日,お母さんが熱を出してしまいました。娘たちは三人で話し合ってお母さんが元気になるように,おいしい料理を作ろうと思いました。
白菜にに
んじんに大根・・・。もう一つ大事な材料が足りません。それはしいの実でした。三人は,大山へしいの実をとりに行くことにしました。

ウーヤマイジャンミチャリャホシトシイノミガミリャリャダナ。ミチャッリヤ、ミチマチゲシャットゥウンチキンヤマンオッカラ、チュルンヌ、インガノチュンガ、アッチキャオタン。インガノナュウヤ、シイノミノワロヒリョリントロヨセテクリィティモドンノミチモヨセテ、クリャオタンミチャリャユルクディクッシオッカノビョークンキュラサノーヨッドトゥハナジガナチャヤーチ、モドリャオタン。

 大山に行った三人でしたが,なかなかしいの実は見つかりません。とうとう三人は道にまよってしまいました。
そのとき,山のおくから,一人の男の人が
歩いてきました。男の人は親切にしいの実のたくさん取れる場所を教えてくれ,帰りの道も教えてくれました。三人は喜んで,

「これでお母さんの病気もすっかりよくなるね。」

と,話しながら,家に帰りました。

マアサンムンミショッチャンオッカヤキュラサヌウティイトゥムヌムガヌシホオラシャクラシュタン。

おいしい料理を食べたお母さんは,すっかり元気になり,いつものように楽 しくくらしていました。

ガッシュンホントヤミチャヌウナグノキョウデニ、ヨセテクレタ、インガノチュウヤウウヤマンスドゥンバケムンアリョウタン。

でも,実は,三人の姉妹に親切にしてくれた男の人は,大山にすむ化け物だったのです。

イットクワ、ウナグヌ、クワンキャヤアチティガミガキャウタンウンナンニャ
「コネダ、オウタンミチャンヌウナグヌクワアヤジュッキュラサタッカ、ドゥウカワトゥジニシイウシャンカナ、チュッリャクリリウウヤマノバケムンカラ」
トゥカチャタリョウタン。
ミチャッリャ、ジュクコマティウイノアネガバケムンヌ、トゥジニイイキュンコトニシャオタン。

あるとき,娘たちの家に,一通の手紙が届きました。そこには,

「この間,会った三人の娘はとても美しかった。ぜひ,わしのお嫁さんにした いので,ひとりよこせ。大山の化け物より」

と,書いてありました。三人は,とてもこまりましたが,話合い,一番上のお姉さんが化け物のお嫁さんになることになりました。

マノバケムンカラ」トゥカチャタリョウタン。ミチャッリャ、ジュクコマティウイノアネガバケムンヌ、トゥジニイイキュンコトニシャオタン。
アネヤウマアッチイキャオタン。ガッシャットゥドゥンマエナンカナシゲサン、ジュウヤオモチジュウヤナアチュンウナグヌキャンミチ、ウナグヌキャンキキャオタン。
「ワンナ、クンウウヤマンウドゥン、カムサマヤアヌウカクマトゥリュヤア。」
ウナグノクワァヤ、ナッガナチャバケムンヌトゥジンナランバナラダナドカムサマ、ハナチャツトウ。
カムサマヤ
「ウラアバニギャアチスグンバケムンガウウティキョンカナ、ヌウカ、スガタバクワェランバ、ダメドー。」
チ、ウナグヌカヌムカティ、イヤオタン。
 ウナグヌクァーヤ、
「ガンナグァ、キュラサン、ユンヌハナン、ワンバクァエテタボレ。」
 トゥ、カムサマニ、ネガヤオタン。
カムサマヤ、ウナグノクワン、ユントゥリニキュラサン、ユンノハンアンバアケラシャオタン。ウッリャ、キュラサン、ユンヌハナドゥアリョウタン。

お姉さんは,泣き泣き大山を歩いていました。すると,目の前に,やさしそうなおじいさんがあらわれました。おじいさんは,泣いている娘をて,娘に聞きました。

「わたしは,この大山に住む神様じゃ。何かこまっているようすじゃな。」

娘は泣きながら,化け物のお嫁さんにならなくてはならないことを神様に話しました。すると,神様は,

「おまえをにがしても,すぐに化け物は追いかけてくる。何かに姿を変えないとだめじゃ。」

と,娘に向かって言いました。娘は,

「それならば,きれいなゆりに私をかえてください。」

と,神様にたのみました。神様は,娘の言うとおりにきれいな百合の花にすがたを変えました。それは見事なゆりの花でした。

ナァーユンヌアンマヌ、キュラサニユムンクトゥンキャヤ、イキャーシアテム。スカマヨウニ、クンハナグワ、ナガムティ、ウタンチ。クンハナガ、イトゥヌマニカ、ウクィナンダケサキュン、ウケユンチ、ヤーレンガヌシ、リャオウタン。

それを知った化け物は,ゆりのあまりの美しさに嫁のことなどどうでもよくなり,朝夕,この花をながめてすごしました。この花が,いつのまにか,請島にしかさかない「うけゆり」と呼ばれるようになりましたとさ。

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